Versión en español 僕は日本の妖怪だろう。人を怖がらせるのに充分な恨みがまだ溜まっていないが(京都市バスの狭さとバスに乗っているおっさんの不親切さに対して以外)、赤瀬川原平の死去が報告された同じ日に、その恨みの井戸を満たす奇妙な出来事があった(「奇妙」より「キモイ」と言い換えた方がいいかも)。今週の火曜日だった。朝8時、身体の調子が良くなかった。その前から唾液腺に結石ができていたようで、その朝とくに痛かった。原因は分からないけれど、唾液の排出管に入り込んだ異物や細菌などを核として、そのまわりに唾液に含まれるカルシウムが沈着して石が生じるみたい。しかも、その日は税金を払おうと決めたので、口の中だけでなく上着の胸ポケットに入れた財布の中身も痛かった。そんな調子で家を出て仕事に向かった。ゴミの日だからゴミ袋をぶらさげながら。バスは荒神口にあるため、細い道から近衛通りに出ないといけない。その道を急いでいた時のことだった。近衛通はまだ遠かったが、その角からチビな人影が現れた。ランドセルを背負った小さい女の子だ。ランドセルを背負っていたから、小学生であるはずと思ったが、背丈の低さを考えたら、幼稚園に通っていたとしても不思議は無い。ちなみに、その子がまた可愛くなかった、全然。最近、全ての子に対して「かわいいな!」とよく言うけれど、ちっとも可愛くなかった。おっさんに近い僕も時たま女子学生に授業中「かわいい!」と言われるけど、その言葉ってなんだろう?まあそれはともかくとしてあの子は絶対可愛くなかった。しかも、チビだった。角を曲がった瞬間、僕の方向を向いてふと足を止めた。僕はまだ遠かったが、その子は目を細くして僕を睨んだ。そして5秒も経たないうちに、だんだん後ずさりしたかと思うといきなり逆方向に走り出した。腹立つ! 日本に着いたばっかりの経験に近い。6年前に住んでいたマンション(窓で氷ができるほど寒くて狭いマンション)を出ると車が入口を塞いでいた。その中に中学生の男の子がいる。そして、僕の存在に気がつくとびっくりして焦っているようで、叫びながら急いでドアロックをかけて、それが済んだ間もなく座席の奥に逃げ込んだ。腹立つ! そのエピソードを思い出しながら、近衛通の角を曲がるとまたあの女の子がいた。電柱のうしろに隠れていた。僕の位置を確かめながら後ろから歩いてきた同じ格好のチビな男の子に「あぶない!あぶない!はやくこっちへきて!」と言わんばかりに手を振っていた。その時もうたくさんだから、なんか言おうと思ったが、結局我慢して道路を渡ってゴミ捨て場にチビな子の解体した身体を捨てるかのように袋を置いといた。その後、急いで遠ざかったがずっと彼らが僕を目で追う。こんな気分でこの国の税金を払うものか! またバスに乗ったらいつもの狭い席や、どかないおっさんたち。または寝たふりをして隣の席にスポーツバッグを置く学生。おばあちゃんだったら、買い物のプラスチック袋。電車に乗る度いつも同じ光景。そして、車両がいっぱいになるまで、最後まで空いているのはいつも外人の隣の席。しかも、子供にいつも不思議に見られる。バスで、電車で、お医者さんの待合室で、電信柱の後ろから、車の中から〜 Boo!僕は妖怪ですよ!外人妖怪!と言いたくなる。怖いでしょう。まあ、気のせいかもしれないけれども、腹立つ! グローバル化の恐怖と言ってもいい。むろん、日本の経済がグローバル化されているが、国際化まで後500年。僕は長寿命の妖怪だから、それを待っている。
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